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「さくらい商店の木製テーブルウェア」

心を豊かにしてくれる美しいモノと、そこに息づく技術やこだわりに迫る本企画。第2回は、使うほどに味わいが増す木の食器をピックアップ。
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こだわりが光る唯一無二の木製食器

美しいフォルムに、手仕事ならではのラフな質感がぬくもりを添える木製の皿やカトラリー。京都を拠点に活動する「さくらい商店」がつくるのは、職人の確かな技術に裏打ちされた遊び心あふれるテーブルウェアです。
木の皿やカトラリーは近年人気だけれど、「さくらい商店」のそれは他とは一線を画しています。その秘密は、製作者の経歴と、「さくらい商店」のユニークなコンセプトにあります。
製作者のさくらいさとあきさんは、美術大学で彫刻学を専攻。自由な発想で、さまざまな素材を彫る経験を通して、彫刻に関する幅広い知識と技術を磨きました。緻密でなめらかな外縁と、あえて彫り跡を残した素朴さの絶妙なバランスは、こうしたバックグラウンドをもつ製作者だからこそ生み出せるものといえます。
また、「さくらい商店」のコンセプトは“「  」をちょっとだけ楽しくする”こと。“「  」”をあえて空白にし、ここに入るコトバを使い手にゆだねることで、製作者の押し付けではなく、使い手の感性に寄り添うものづくりを実現したのです。
「さくらい商店」の木製テーブルウェアが特別な理由は、それだけではありません。その製作へのこだわりにも秘密が隠されています。
精緻なフォルムは、木材にそれぞれのアイテムをかたどった線を描き、その線に沿って慎重にカット。複雑な曲線ラインや厚みもろくろや旋盤を一切使わず、表面の凹凸も製作者の感覚だけを頼りにノミを使って手彫りで丁寧に削り出します。木目や肌目などに合わせて彫り方が変わるため、一つとして同じものはありません。
こうした製作へのこだわりが、「さくらい商店」のテーブルウェアの価値を高めています。

機能美に向けて成熟していく過程を楽しむ

テーブルウェアの素材は、主にさくらの木を使っています。さくらの木は、使い込むほどに色味が深く落ち着いていくため、経年変化を堪能できるのが魅力。これは、木という“生きている”自然素材が使い手に磨かれることで、美しい日常アイテムとして完成していくということ。こうして磨かれた美しさこそ、真の機能美といえるでしょう。
確かな技術とこだわりに支えられながら、遊び心で使い手に余白を提供する木のテーブルウェアは、ぜひ身近に置いておきたい逸品です。
丸皿(中)
丸皿(中)
使いやすい中皿は、何枚あっても便利。木目のバリエーションを楽しみたい。丸皿(中) 各8,500円(税別)
丸皿(深)
丸皿(深)
手にほどよくフィットする丸みのあるシェイプは、高い技術の賜物。 丸皿(深) 各3,700円(税別)
バターナイフ スプーン(小) スプーン(中) スプーン(大) フォーク
バターナイフ スプーン(小) スプーン(中) スプーン(大) フォーク
ほんのりくるみオイルの香りがただようカトラリーは、優しい舌ざわりもポイント。 カトラリー (左から)バターナイフ 各1,300円、スプーン(小) 各1,400円、スプーン(中) 各1,800円、スプーン(大)2,000円、フォーク 2,400円(以上、すべて税別)
さくらい商店
http://www.sakurai-shouten.com
Instagram: @sakushou39_1
作品はイベント、クラフトフェア、オンラインなどで販売中
Photographs by MAEDA Hironobu (STIJL)
Text by HAYASHI Eimi
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