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仕事に着ていく服がない? 毎日の服選びがもっと楽になるヒント

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30代半ばの女性である私は、クローゼットの前に立ちながら、これから仕事に着ていく服を好きになれたらいいのにと思っているところです。これで私も、全国の働く女性たちが直面してきた、あの永遠の難問に突き当たったというわけです。私たちは人からどう思われるのかをいつも気にし、尊重されたいと思っています。そして、こう願わずにいられないのです。毎日の服選びが、もっと簡単になったらいいのに。

 

私の仕事はライター兼編集なので、他の職場で要求されるファッションよりも、ずっとゆるい格好をすることが許されていると思います。それでも、「ふさわしい格好」をしなくてはいけない(私の環境では、独創的かつ流行を押さえた服装)というプレッシャーを感じて、身のすくむような思いをする日があります。重要な会議があって、自分自身をレベルアップさせる必要がある日には、さらに参ってしまいます。手持ちのなかには何ひとつぴったりくる服がなく、「プロフェッショナル」な服を着ようとすると、母親のビジネススーツでごっこ遊びをする子どものような気持ちになってしまうのです。結果として、私はいつも黒いパンツに黒いタートルネック、そして黒いブーツという同じ組み合わせのものばかり身につけることになり、まるで映画『マトリックス』のコスプレでもしているみたいです。

 

23歳のアビー・オールマンは研修中の社会福祉士ですが、仕事用の服を着ていると「まるでピエロにでもなった気分になる」と話しています。彼女はまた、「質が良く、同時に20歳も老けてしまったように見えない仕事用の服を、プラスサイズで見つけることは、本当に大変なのです」と訴えています。

 

片付けの専門家で、本の著者でもある(そして完璧に畳まれた下着を引き出しのなかにたくさん持っている人たちのヒーロー)「こんまり」こと近藤麻理恵氏ですら、着るべき服がわからなくなってフラストレーションを感じる朝があるようです。近藤氏は、「仕事の内容に合わせて、それにふさわしい服を事前に買い揃えておきます。それを朝になる前に用意しておけばいいのだと気付きました」と取材に答えています。

 

近藤氏が仕事用の服について提案していることは、彼女の整頓術のコツのひとつである「モノ別に片付ける」という考えに沿ったものです。この場合の「モノ」は服の種類ではなく、自分がその日にする仕事の内容になります。週に一度だけ重要な会議があるのであれば、事前に揃えていたその日用の服をひとまとめにしておきます。そうすれば、カジュアルな服とプロフェッショナルな服が混在することもありません。会議用の服だけを、その他の服から完全に分けて置いておくのもいいでしょう。そうすれば少なくとも、コーヒーの効き目が現れるのを待ちながらクローゼットの中をしらみつぶしに探して、くたくたになる、なんてことを防げるはずです。

 

近藤氏の紹介するコツは確かに役に立ちますが、私たちが抱えている問題の最も重要な部分を見逃しているようです。(私を含め)多くの女性にとって、朝の着替えというのは、自分が職場の他の人間とは違うことを思い出すための時間であり、同時に、周囲に適応しつつも人より目立つためのバランスを、なんとかとろうと悩む時間でもあるのです。男性が着替える際、選択すべきアイテムの数がいかに少ないかを考えてみてください(1:シャツだけ、もしくはセーターやジャケットも必要か。2: ジーンズもしくはスラックスか)。

 

「毎日、暗黙のドレスコードを押し付けられている気分です。それを守ろうとして、朝からひどいフラストレーションを感じてしまいます」そう話すのはPRとして働くダニエル・ベイヤードです。彼女は現在31歳で、自分のコンサルタント会社を持っています。「プロとして真剣に見られたいと同時に、自分のスタイルもちゃんと出したいのです。その二つのバランスをとるために、毎朝時間がかかってしまいます」

 

服装に関するこうしたインポスター症候群(自分の能力や人からの評価を認められず「詐欺師」のように感じてしまう状態)を、自信たっぷりに乗り越えている女性たちもいます。そのひとり、政界の希望の星であるアレクサンドリア・オカシオ=コルテスを例にとってみましょう。

 

ワシントンDCで働くその他の野暮ったい政治家たちと比べて、彼女が違って見えることは一目瞭然です。そしてそれが、彼女の政敵たちを狂乱状態に陥れています。アメリカ連邦議会に最年少で選出された彼女が、女性参政権運動を象徴するケープ付きの白いブレザーを着たり、ハリー・スタイルズのようにシャツのボタンを一番上まで留めたりするのは、自分が若くヒップなだけではなく、若くヒップでありつつ自分の立場の重要性をきちんと配慮しているというメッセージを送るためなのです。

 

また、彼女は「就きたい仕事にふさわしい服装をする」という古風で堅苦しい考え方を、非常にうまいやり方で無視しています。何しろ、29歳のラテン系の女性が、議会に選出されたことなどこれまでになかったのです。ですから、このような服装をするべきといったルールはそもそも存在しません。そして、一緒に働く年上の女性たち(というよりむしろ白人男性たち)に合わせた服装をしてしまう代わりに、自分の職務にふさわしい新たな規範を作り出そうと、彼女はごくささやかなやり方で過去のルールを曲げているのです。

 

アレクサンドリア・オカシオ=コルテスは、よりリーダーシップが必要な立場へ進出し、これまでにない仕事の分野に参入しているその他たくさんの女性とともに、私たちに勇気を与えるお手本を見せてくれています。数年後に叶えたい仕事のための服装をしても、あまり意味はありません。大切なのは、自分が明日、職場でどのような人間でいたいかを示すような服装をすることなのです。結局のところ、2019年に生きる私たちは、最も安定しているように思えるキャリアですら、降格される可能性を常にはらんでいますし、まったく異なるキャリアに転向させられることもあり得るのです(オカシオ=コルテスも、たった2年前まではバーテンダーとして働いていました)。

 

ここで「パワードレッシング」について考えてみましょう。確かに、衣服が求められる役割をちゃんと果たせている場合、それを着ることで自信を得ることができるはずです。2015年にコロンビア大学が行った研究では、対象となった男女混合の60名の学生たちは一般の学生たちよりもフォーマルでビジネスライクな服装をしており、その結果として、そうでない学生よりも、組織的でビジネス向きの思考を持っていることがわかりました。研究著者のアブラハム・ラトチック教授は「正確には、フォーマルな服装が『ポジティブ』な効果を与えているというわけではなく、フォーマルな服装をする人の方が、より『大局的』な視点でものごとを考えているということです」この研究の参加者たちは、「HOW(どのように)」よりも「WHY(なぜ)」ということに関心を持ち、短期的な目標ではなく、長期的なゴールを考慮していたと言います。つまり彼らは、学部生というよりも、リーダーにふさわしいふるまいをしていたということです。

 

しかし自信アップに関して、服装はほんの一部を担っているにすぎないと、ラトチック教授はすぐに付け加えています。「自分の仕事が嫌でしかたなく、職場での服装を強制されているように感じているとしましょう。その場合、きちんとした服装をすることのメリットはすべて、そうした気持ちに追いやられてしまいます」とラトチック教授は指摘します。「服装がその場にふさわしくなかったり、その服を着ていることで自信を失い、心地よさも感じない、または他人がその服装を不適切だと感じたり、似合わないと思っている……。そんな場合には、服自体がそれを着ている人に直接与える効果よりも、そうした状況の方が強い影響力を持ってしまうのです」つまりシンプルに言えば、いくら新しいスーツを着ていても、着ている自分をバカらしく感じてしまったら、たとえ販売員がなんと言おうとも、そのスーツはあなたに自信を与えてはくれないということです。

 

本来、職場用の服を選ぶことは楽しいことであり、力を与えてくれる行為であるはずなのに、多くの女性たちにとっては真逆の状況になっています。それこそが、フラストレーションを感じてしまう一番の原因なのではないでしょうか。ウィスコンシンで銀行の専門家として働く50歳のローラ・メイルは、朝の日課についてこんなことを話しています。「落ち込んでいる日には、何を着てもよく見えませんし、気分も上がりません。時代遅れで野暮ったく感じ、着ている自分がバカバカしく思えてくるのです」ワードローブにいくら期待をかけようとも、その中心には「自分自身」を置いておく必要があります。そうすれば、服に対する違和感を感じにくくなるでしょう。

 

そこで「解決方法」の登場です。それはすでに広く知られている「カプセルワードローブ」という考え方なのですが、その内容を少し限定して提案したいと思います。これを読んでいるみなさんが何を考えているか、ちゃんとわかりますよ。「カプセルワードローブなんて、2017年に流行ったものでしょう」もしくは「そうした『制服選び』のテクニックならすでに試したし、自分には向いていなかった」なんて声が聞こえてきそうです。それでも、Stitch FixM.M. LaFleurなど、カプセルワードローブのアイディアを元に作られたパーソナルスタイリストや服のサブスクリプションサービスは、今や巨大な産業になっているのです。仕事の内容に応じて事前に服のセットを選ぶ、という近藤麻理恵氏のアドバイスと同じように、カプセルワードローブは制限を設けることで、朝の着替えをより簡単に、そして最終的には楽しいものにしてくれるはずです。

 

カプセルワードローブの基本は、手持ちの服の数を制限し、他のすべては余計なものだと考えることです。厳しい基準を設定することで、選択肢が多いために感じる不安を解消することができます。しかし、カプセルワードローブ自体にもいくつか懸念点があります。そのひとつは、服を選ぶ際に自分自身を定義するためではなく、服の美しさを基準にしてしまうということです。そして多くの場合、それらの服は高価になりがちです。たとえばTheoryのタイトドレス375ドルや、ビジネスワードローブ8点セット3000ドルを購入する際には、「投資となる服」という言葉が浮かんできます。自分のスタイルが確立できていない場合(もしくはミレニアルの多くがそうであるように、仕事が常に変わり、したがって仕事スタイルも変わってしまう状況では)、先行投資としてはつぎ込みすぎに思えます。(Frank & Oakのスーツ150ドルや、M.M. LaFleurのペンシルスカート165ドルでも、無理しすぎかもしれません)

 

とはいえ、カプセルワードローブには「どの服を組み合わせてもうまくいく」といった良いポイントもあるので、それを参考にしつつ、自分のスタイルを自分の予算内で作り上げていけばいいのです。

 

まず、クローゼットの中身をすべて外に出します。(そう、こんまり流です)そして仕事用に着たいとは全く思えないものは処分します。次に、新しい服を買う際には、すでに持っていて、とても気に入っているものと同じような特徴があるものを探します。(ショッピングの際には、十分な時間を確保し、水分補給も忘れずにしましょう。そうすればちゃんと試着することができます)私の場合、このやり方に従うことで黒い服ばかりのセットを選ぶことになりました。それでも、何を着ていいかわからなくなった時に困らずに済みますし、実際にうまくいっています(マトリックスっぽくはなってしまいますが)

 

「モノ別」というフレーズを念頭に置きつつ、実際に働いている時のニーズに応じて、服のセットを決めていきましょう。重要なビジネスランチ用と、4時間にわたる予算審査会用、どちらにも使える服が必要ですか? 現在、オフィスをこっそり抜け出しいくつかの面接を受けていて、そのことが目立たないような格好をしたいと思っていますか? それとも、ほとんどの時間をデスクに座ったまま、職場の人との会話にもビジネス向けチャット「Slack」を使っている、だからこの記事で問題になっていることがそもそも理解できない、という状況でしょうか? こうしたシチュエーションのそれぞれに、ぴったりの服装があるはずですが、すべて一気に準備しようと思わないでください。一度にひとつのシチュエーションに集中しましょう。必要であれば、その日用に数セット選んでも構いませんが、先走りするのは控えましょう。流行のトップスを買ったとしても、合わせられるボトムスがなければ無駄になります。マキシ丈のドレスは、合う靴がないとうまく着こなせません。ワードローブの服すべてを一度に買う予算がある人は少ないでしょうから、必ず手持ちの服(そして気に入っているものだけ)に合う服を買うようにし、トップスとボトムスも、それぞれ対応するものが家にない場合は購入を控えましょう。

 

数は少なく、着まわしは多く、というのがカプセルワードローブの中心にある考え方です。ですから、同じ服を着まわすことに慣れましょう。そしてドライクリーニングが必要な素材を見極め、どのくらいの頻度で出す必要があるのかも把握しましょう。一度しか着ていないものは、シワ取りスプレーか衣類用消臭剤をさっと吹きかけておくだけで、また次の週も着ていくことができるはずです。たったそれだけで、クローゼットの前で落ち込んでしまう朝を、すでに1日減らすことができてしまいますよ。

 

 

この記事は、InStyleのCaitlin Abberが執筆し、NewsCredパブリッシャーネットワークを通じてライセンスされたものです。ライセンスに関するお問い合わせは、legal@newscred.comにお願いいたします。

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