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連載 コスメのトリセツ
vol.03 洗顔料の成分

化粧品のパッケージに書いてある成分表示を読み解きながら、化粧品成分の深い海へとダイブする連載企画。クレンジングに続いて、vol.03では、洗顔料のパッケージに書いてある「全成分表示」に注目します。洗顔料か、石けんか。洗顔に使うアイテム選びで迷った経験はありませんか? 成分特徴を把握することで、両者の違いもまた見えてきます。
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石けんをつくる成分はどれ?

昔から存在する石けんは、日々のあらゆる “洗う”に欠かせない必需品です。その起源は約1万年前、焚き火で獣肉をあぶる時にしたたり落ちた脂肪が木の灰と混ざり、これが染み込んだ土が “汚れを落とす不思議な土”として発見されたのがはじまりといわれています。以後、石けんは、顔やからだを清潔に保つスキンケアとしても、世界中で愛され続けています。
油脂とアルカリ性成分を反応させてつくる石けんの製法は、本質的には昔も今も変わりません。そんなシンプルな石けんに対し、洗顔料は石けんの働きを持ちながら、さらに泡立ちや香りの良さ、しっとりと洗い上げるための成分が、バランスよく組み合わされています。次に使うローション、ミルク、クリームなどとの共通成分を配合したものもあり、シリーズ使いすることで、各アイテムの特性と連動した肌感触を体感できるように設計されています。
洗顔料は石けんの働きを持つ、と書きましたが、全成分表示に“石けん”の表記はありません。しかし詳しく見ていくと、石けんをつくる成分が隠れていることがわかります。
たとえば「高級脂肪酸」がそのひとつです。まず、全成分表示の最初のほうに「高級脂肪酸」がいくつか並んでいないか、チェックしてみましょう。その後に「水酸化K(あるいは水酸化Na)」も見つけることができたら、これらが石けんの成分です。方程式でまとめると、以下の通り。これを中和法といいます。
<高級脂肪酸 + 水酸化K → カリ石ケン素地 + 水>
高級脂肪酸は、複数の種類があり、その組み合わせや割合を変えることで、洗浄力、気泡力、泡質、泡持続性などが変わってきます。
具体的に、どのような組み合わせがあるのでしょうか。さっそく見ていきましょう。
B.A ウォッシュ
水、グリセリンミリスチン酸パルミチン酸ラウリン酸水酸化Kステアリン酸、マルチトール、BG、PPG-24グリセレス-24、コメヌカスフィンゴ糖脂質、ダイズ油、レンゲソウエキス、ベニバナ黄、ダイズタンパク、アルニカエキス、マヨラナ葉エキス、クララ根エキス、ニンジン根エキス、トリデセス-4カルボン酸Na、ヤシ油脂肪酸PEG-7グリセリル、尿素、ラウロイルサルコシンイソプロピル、エタノール、PEG-160M、水添レシチン、ポリクオタニウム-7、セルロースガム、ポリクオタニウム-39、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、香料

ピックアップ成分

ミリスチン酸 / パルミチン酸 / ラウリン酸 / ステアリン酸
すべて高級脂肪酸です。大きさがそれぞれ異なり、ステアリン酸>パルミチン酸>ミリスチン酸>ラウリン酸の順となります。大きいほど泡は細かくコシがあり、小さいほど泡立ちが早く大きな泡が立ちやすい傾向です。製品の個性や特徴に合わせて、バランスよく組み合わされています。
水酸化K
水酸化カリウム(苛性カリとも呼ばれます)。水に溶けると非常に強いアルカリ性を示しますが、化粧品では他の成分と反応させて別の成分を作り出すために配合しています。
グリセリン
化粧品をつくるベース成分のひとつであり、代表的な水性成分です。ヤシ油、パーム油、牛脂などの天然油脂を高温高圧で加水分解すると、脂肪酸とともにグリセリンが生成されます。保湿効果があり、洗顔後の乾燥感を抑えるのに使用されます。また、洗顔料をクリーム状に柔らかくする役目も担います。
セルロースガム
化粧品の粘度調整、乳化安定剤として配合されます。洗浄製品においては、泡の安定性を高め、洗った後のきしみを抑える役目があります。
Photographs by OHSHIMA Toru
Text by GOROKU Miwa
Edit by HATTORI Madoka
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