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あなたも「失敗の履歴書」を作ってみませんか

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これまでの学歴、前職での実績、そして日常会話レベルならスペイン語を流暢に話せるという軽いハッタリ……。通常であれば、あなたの履歴書にはこのような内容が並んでいるはずです。

 

では、そこに書かれていないものは? それは、あなたの欠点のリストではないでしょうか。

 

というわけで、「失敗の履歴書」をご紹介します。そう聞いてちょっとびっくりするかもしれません。でも、これは「過去に自分が成し遂げられなかったこと」に対するネガティブなイメージを払拭するための、斬新なツールなのです。

 

筆者は最近、この「失敗の履歴書」の存在を「Without Fail」というポッドキャストで耳にしました。これはもともと、エディンバラ大学生物医化学部で講師を務めるメラニー・ステアファンが、2010年に『ネイチャー』誌に掲載された記事の中で初めて使った言葉だとされています。「失敗の履歴書」とはまさにその呼び名通り、応募したのに受からなかった仕事や、目指して頑張っていたのに落ちてしまった賞、といった過去の失敗を全部書き出したもののことを言います。

 

私たちが見ることのできる「失敗の履歴書」のなかでおそらく最も有名なのは、プリンストン大学心理・公的行動学助教授ジョハネス・ハウスホーファーの履歴書です。ハウスホーファーはオックスフォード大学を優秀な成績で卒業後、チューリッヒ大学では経済学の博士号を、そしてハーバード大学では神経生物学の博士号を取得しています。(つまり、彼は学術的な成功を収めているわけです)。

 

しかし、この一風変わった「失敗の履歴書」についての記事を読んだハウスホーファーは、自分でも書いてみようと思い立ちました。そして書き終えたものをオンラインで公開したのです。その履歴書には「受からなかった学位取得プログラム」や「もらえなかった奨学金」、そして「得られなかった研究費」などがずらりと掲載されています。(そして「メタ的失敗」と書かれた欄には、ちょっとした皮肉を込めて、この失敗の履歴書の方が「これまで自分が成し遂げてきた学術研究よりもよっぽど注目を集めていること」と書いてあります)。

 

それではなぜ、ハウスホーファーは「失敗の履歴書」を公開しようと考えたのでしょうか? 彼はこの履歴書の序文で次のように考察しています。私たちは他人の成功を目の当たりにした際、その人たちが辿ってきた道には、ミスなどひとつもないだろうと勝手に判断してしまうものです。その一方、自分自身が失敗した時には、その原因は完全に自分の欠陥にあるのだと思い込んでしまいがちです。でも実際には、応募した仕事に落ちたり、奨学金をもらえなかったりした理由は、自分がコントロールできる範囲のものではない場合が多いはずなのです。そこでハウスホーファーはこの「失敗の履歴書」の目的について、「自身の経歴のバランスを取りつつ、新しい視点を提供すること」と説明しています(ますます好感が持てる人ですよね)。

 

たとえ世間に公開しなかったとしても、「失敗の履歴書」は作るだけでもメリットがあります。ステファンはこの履歴書を作る上で、次のようにアドバイスしています。「応募したのに落ちた仕事、申請したのに断られた補助金、そして通らなかった論文など、もれなくすべてを記録しましょう。時間をかけて悩んだりしてはいけません。新しいことが持ち上がったら、そのつど記録を残していくようにしましょう」。彼女も書いているように、初めは確かに「かなり気の滅入る」作業になるかもしれません。それでもこの履歴書は、自分だけでなく、まわりの同僚たちをも励ましてくれるはずです。たとえば誰かが採用に落ちたり、提案を却下されたりした時に、その失敗を乗り越え、新しくスタートするきっかけを与えてくれるでしょう。そう、失敗は誰にでも起こりうることなのです。

 

というわけで、次に昇進を見送られるようなことがあったら、ベン&ジェリーズのアイスクリームを心ゆくまで堪能しながら、さっそく「失敗の履歴書」に書き込んでみましょう。その経験が、きっとあなたを成長させてくれるはずです。

 

 

 

この記事は、PureWowが執筆し、NewsCredパブリッシャーネットワークを通じてライセンスされたものです。ライセンスに関するお問い合わせは、legal@newscred.comにお願いいたします。

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