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連載 コスメのトリセツ
vol.05 ミルクの成分 

化粧品のパッケージに書いてある成分表示を読み解きながら、化粧品成分の深い海へとダイブする連載企画。今回は、ミルクの「全成分表示」に注目します。ローションのようにサラサラしていたり、クリームのようにこっくりとしていたり。化粧品メーカーやブランドによって、最も幅広いテクスチャーが存在するのがミルクかもしれません。スキンケアステップにおけるミルクの役割について、代表的な成分とともに見ていきます。
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ミルクはやっぱり使ったほうがいい?

「乳液」「ミルクローション」「モイスチャーミルク」「エマルション」など、ブランドによって様々な呼び方があります。基本的な機能は同じですので、ここでは「ミルク」と総称します。
ミルクは、水性成分と油性成分でできています。成分構成はクリームと似ていますが、製剤中に含まれる油の量と、性状(とろみの有無)において、両者は大きく異なります。
ミルクは、ローションとクリームの中間のような剤型のため、水の多いローションと、油の多いクリームをなじみやすくする「つなぎ」の役目を果たします。ローションには油分がなく、水の膜の上に油の多いクリームを塗っても、肌になじみにくいからです。先にミルクで油を肌にのせておけば、なじみがよくなり、クリームの効果も高まります。
ミルクに含まれる油分は、一般的に10~20%です。一緒に配合される水性成分とは、そのままでは混ざり合わないので界面活性剤を配合します。界面活性剤の仲介があることで、水と油は“乳液”状になります(=乳化についてはvol.2 クレンジングの回を参照)
このほか、様々な保湿成分を混ぜ合わせることで、ミルクのしっとり感と個性が決まってきます。以下、代表的な成分を見ていきましょう。
B.A ミルク 
水、グリセリン、水添ポリオレフィン(C6-14)、ジグリセリン、BG、メドウフォーム油、ソルビトール、水添レシチン、ジメチコン、ポリメタクリロイルリシン、アルギニン、乳酸桿菌/コメ発酵物、グリコシルトレハロース、加水分解水添デンプン、イガイグリコーゲン、レンゲソウエキス、チョウジエキス、ヨモギエキス、ダイズタンパク、アルニカエキス、ヘチマエキス、イザヨイバラエキス、マヨラナ葉エキス、加水分解シルク、アケビ茎エキス、クララ根エキス、オウレン根エキス、加水分解コンキオリン、シロキクラゲ多糖体、水添ナタネ種子油、エタノール、水添ココグリセリル、ベヘニルアルコール、キサンタンガム、マルチトール、ラウロイルグルタミン酸ジ(フィトステリル/オクチルドデシル)、ラウロイルグルタミン酸ジ(オクチルドデシル/フィトステリル/ベヘニル)、トコフェロール、カルボマー、水酸化K、(アクリレーツ/アクリル酸アルキル(C10-30)クロスポリマー、ペンテト酸5Na、フェノキシエタノール、メチルパラベン、プロピルパラベン、香料

ピックアップ成分

メドウフォーム油
メドウフォームという植物から採取されたオイルです。不飽和脂肪酸を多く含むことから、肌になじみやすく、角層を柔らかく保つ機能を持ちます。美容成分配合のローションで与えたうるおいを逃さないようにするエモリエント効果を目的として配合されます。
水添レシチン
水と油を混ぜるための界面活性剤で、植物由来の原料です。保湿性の高いラメラ構造と呼ばれる膜を形成します。保湿を目的に使用されることもあります。
ベヘニルアルコール
化学的にはアルコールの一種(高級アルコール)ですが、化粧品成分としてはアルコール(エチルアルコール)とは異なる性質です。植物由来の原料で、ミルクやクリームの安定性を良くし、粘度を調整します。高級感のある外観や、こっくりした感触を与えます。
カルボマー
化粧品にとろみをつけたり、ミルクやクリームの安定性向上のために使用される原料です。塗布中にパシャっと崩れるような感触を与えます。
※    保湿成分
Photographs by OHSHIMA Toru
Text by GOROKU Miwa
Edit by HATTORI Madoka
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