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女子サッカーアメリカ代表チームが教えてくれること — 自分の価値を知り、仲間と助け合う

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女子サッカーワールドカップのアメリカ代表チームは、2019年の開催地フランスに到着するずっと前からニュースの見出しを賑わせてきました。特にマスコミは、男子代表チームよりも報酬が少ないのは差別に当たると訴える、彼女たちの積極的な発言にも注目していました。対等な報酬を求めて闘う姿はファンのみならず、同じような環境に苦しむ、普段はスポーツを観戦しない人たちの心にも深く訴えかけています。

 

こうした話題をいまだに繰り返す必要があるのは心苦しいほどですが、性別による賃金格差はサッカー界だけにとどまりません。女性の収入は男性よりも(アメリカでは平均約20%)少なく、黒人やラテン系、ネイティブアメリカンの女性においては、格差はさらに広がります。女子サッカーアメリカ代表チームは、若い女性アスリートたちのロールモデルとして受け止められることが多くなりましたが、それにはもっともな理由があると思われます。

 

記録的な活躍を見せ続けるこの女子代表選手たちに注目するのは、アスリートだけにとどまりません。女性であれば、年齢に関係なく、たとえサッカーフィールドに立ったことがなかったとしても、選手たちの姿に何かしらの影響を受けるかもしれません。そこで、私たちがキャリアを重ねる上で、女子アメリカ代表チームから学べる6つのアドバイスをこれからご紹介します。

 

 

1. 自分の価値を知る

サッカー界における報酬の格差について考えた時、もっとも衝撃なのは、女子代表選手の方が男子代表選手よりもコンスタントに優れた成績を残しているという事実です。仕事の上でより高い実績を残し、金銭的にもより多くの利益をもたらしているにもかかわらず、女子代表選手が受け取る報酬は男子代表選手よりも少ないのです。しかし、女子代表選手たちは自らの価値をしっかり把握しています。だからこそ、報酬に格差があることを積極的に主張し、訴訟を起こすまでの力を持つことができたのでしょう。その結果、女子代表選手はスポンサーの数を増やし、格差の存在を明るみにすることができました。道のりはまだ遠くとも、彼女たちが自らの価値を信じていなかったら、ここまでの変化をもたらすことはできなかったかもしれません。

 

 

2. 互いの存在を認め、助け合う

これこそ、チームワーク向上の秘訣だと言えるかもしれません。しかし、女子代表選手たちも最初から仲が良かった訳ではありません。選手たちは開会の1か月前まで、代表ポジションを得るために激しく競い合っていたので、お互いのことはチームメイトと言うよりも、ライバルだと思っていたはずです。しかしいざ登録メンバーが発表されると、選手たちはお互いをサポートし合い、仲間の成功を称えるなど、一丸となって試合に臨むモードに切り替えるのです(代表選手たちのTwitterを遡れば、いかにお互いを賞賛し合っているかわかります)。

 

また、本チームの半分はすでに代表経験がありますが、経験者たちは初出場のチームメイトをいかに導いていくかについても、よく発言しています。マロリー・ピュー選手とローズ・ラベル選手も今回が初めての大会になりますが、二人ともチームメンバーが活躍するといかに嬉しいか、インタビューで答えています。ラベル選手は「マロリーに言われたのですが、私が得点した時、彼女は泣いて喜んでくれたそうです」とワシントンポスト紙に話しています。

 

 

3. 多様性を支持する

スポーツ界に蓄積する問題は、男女間の報酬の格差だけではありません。ディフェンダーのクリスタル・ダン選手は、黒人女性である自分は、注目されるために「特にずば抜けて活躍する」必要があったと話しています2019年の女子代表選手たちの多くは、1999年に優勝した女子アメリカ代表チームに大きな影響を受けており、ダン選手もその一人です。

 

しかし仲間たちとは違い、ダン選手が見た目において親近感を抱くことのできる選手は、当時の代表チームの中には誰もいませんでした。というのも、1999年の代表メンバーは一人を除いてすべて白人の選手だったのです。今年の女子代表選手には、今まで以上に多様な選手が集まっています。しかし、本当の多様性を実現するまでの道のりはまだまだ遠いようです。サッカー界に限らず、このような問題を一瞬で解決するような魔法は存在しません。私たちにできることは、プライベートでも職場でも多様性を尊重し、積極的に支持していくことだと言えるでしょう。

 

 

4. 正当なお金を要求することの意味

ハリウッドで活躍する女性たちも賃金の平等を求めて行動を起こしてきましたが、その訴えは往々にして見過ごされることがありました。それには理由があります。格差があるとはいえ、ハリウッド女優たちはすでに大きなお金を稼いでいたからです。しかし女子アメリカ代表チームは、これはお金だけの問題ではないとはっきり主張しています。

 

選手たちは、自分たちが公平な報酬を求めることを通じて、女子サッカー界全体にもっと多くの資金が行き渡ることを目指しているのです。ミッドフィルダーのミーガン・ラピノー選手は今年4月、ロイター通信にこのように答えています。「私たちは正当な報酬を求めているだけではありません。より大きな局面において、女子のサッカー界が男子のサッカー界と平等に扱われることを目指しているのです」。

 

女子代表選手たちのように訴訟を起こすまではいかなくとも、賃金アップを求めることは、そのお金以上のものを得るきっかけになるかもしれません。自分のために声をあげることは、職場において自分の発言の重要性を確立する、大きなステップになるはずです。

 

 

5. 自分で自分を褒める

女子アメリカ代表チームはタイとの試合で記録的な結果を残しましたが、その際、喜び方が過剰だとして批判する人たちもいました。しかし、男子代表チームが同じことをした場合、ここまで辛辣な批評を受けたでしょうか? 賃金格差と同様、女性を軽視・過小評価する風潮が残ることもある企業の文化においては、女性がいざ活躍した場合、でしゃばりだと思われたり、偉そうだと捉えられたりすることもあるかもしれません。こうした現実をふまえれば、批判にも屈せず自分たちの大活躍を賞賛し合った女子代表選手たちの振る舞いも、人を勇気づけるものだと考えることができるはずです。世界が自分の頑張りを認めてくれない時には、ぜひ、自分で自分をたっぷり褒めてあげてください。

 

 

6. 目標だけに集中する

世界のどこへ行っても、女子アメリカ代表チームを批判したがる人たちがいます。存在を無視したり、負けることを願ったり、不当な評価を下そうとする人たちもいます。しかし選手たちは、ワールドカップの最中には、自分たちを外界から守ってくれるバリアのようなものを張っていると繰り返し口にしています。バリアの内側にいれば、優勝カップを母国に持ち帰ることだけに集中することができ、周囲の批判は気にならないというのです。先述のタイ戦で歴史的勝利を収めた際に「はしゃぎすぎだ」と世界的に批判された時にも、選手たちはさほど影響を受けていないように思われます。

 

サム・ミュース選手は、USAトゥデイ紙からそのような批判をどう思うか意見を求められていますが、「何かしら話題になっているようですね」という答え方をしています。そこまでの集中力を保つことはなかなか難しいかもしれませんが、自分の目標を明確にし、それを目指して突き進むことはとても大切です。そして周りに支えてくれる仲間がいるとしたら、さらに心強いはずです。

 

 

この記事は、Refinery29Marshall Brightが執筆し、NewsCredパブリッシャーネットワークを通じてライセンスされたものです。ライセンスに関するお問い合わせは、legal@newscred.comにお願いいたします。
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