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独り言の魅力とは? 自分を励まし、パフォーマンスもアップ!

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To Doリストを確認しながら、知らず知らずのうちに声を出して読み上げている……そして周りの人に「なんか言った?」と聞かれ、どぎまぎしながら「えーっと、なんでもないよ」と答える……。そんなちょっぴり恥ずかしい独り言の経験をしたことがある人もいるでしょう。でも、自分自身に話しかけることには、本当に問題がないのでしょうか? はたから見ればおかしなことだと思われるかもしれませんが、実際のところ、独り言はまったく問題がないばかりか、むしろ健全な行為でもあるそうなのです。そこで専門家たちに詳しく話を聞き、独り言にはどのような効果があるのかを教えてもらいました。

 

 

「独り言を言ったとしても、まったく問題ありません。よくあることです」。心理セラピーを提供するTherapy Group of DC所属の心理学者ジャネット・R・バーグフェルド博士はそう断言しています。私たちが独り言を言うのは、通常、怒りのような感情を抱いていたり、緊張でピリピリしている、もしくは集中しようとしている時なのだそうです。同じく心理学者のヘザー・スティーブンソン博士も、次のように説明しています。「独り言は、ストレスや恐怖を解消するツールにもなります。口に出して自分に話しかけることで、ぜんぶうまくいくと自分を励ましたり、どんな問題も乗り越えることができると、自分に再確認させることができるのです」。

 

 

自分自身との会話は、他者とのトラブルを解消する助けにもなります。スティーブンソン博士は、「相手と話したい内容や、どのようなやり方でコミュニケーションしたいかを探るために、まず自分と対話して練習しましょう。そうすることで自信も湧いてきますし、気持ちを落ち着けることができるかもしれません」とアドバイスしています。「何か問題が起きた時、上司にどのように説明するか、また、どのような距離感で付き合っていきたいかをパートナーと語り合う際など、自分が言いたいことをあらかじめ練習すればいいのです」。

 

 

独り言の効果について、博士は次のようにも話しています。「自分との対話は、自分の感情をより深く理解するきっかけにもなるでしょう。自分がなぜこのような判断を下したのか、あるものが自分にとって大事なのはなぜか、どうしてある分野では自分が先に進めない感じがするのか、そしてなぜ、ある行為をすることに自分は抵抗を感じているのか……。自分と話していくうちに、こうした問題を理解することができるようになるはずです」。

 

 

とはいえ、このように健全な状況ではなく、たとえば幻聴や妄想を含む、精神病の症状として独り言が出ている場合もあるそうです。「こうした症状が出ている人は、自分の世界に迷い込んでいるように見えたり、すぐ隣にいる人の存在にも気がつかないことが多いようです」。

 

 

そうした状況を別にすれば、独り言はとても役立つテクニックです。実際にセラピストの多くは、患者たちが心配事や問題を仕分けするための手段として、自分で自分に話しかける練習をするようにアドバイスをしているそうです。スティーブンソン博士も次のように話しています。「私はよく、患者たちに実際の年齢より若い自分、もしくはもっと年取った自分をイメージして話しかけるように言っています。また、体を使いながら話したり、話した内容を書き留めることも勧めています。そうすることで自分の直感に耳を傾け、自分の判断を信頼できるようになっていくはずです。それだけでなく、自分自身をより深く感じ、自分とつながるきっかけにもなるのです」。

 

 

バーグフェルド博士も、「独り言を言うことで、気持ちが晴れたり、自分の言葉に励まされることもあるはずです」と話しています。エクササイズの最中に「大丈夫、できるよ!」、「その調子!」などと自分に話しかけたりするのが良い例です。「私が患者たちによく言うのは、つらい状況にいる親友に話しかけるつもりで、親身になって自分に語りかけてほしいということ。胸に手を置き、「つらかったね、本当によくがんばっているね」と自分に優しく語りかけてみてほしいのです」。しかし博士は、同時に次のことにも注意するようにと指摘しています。「ネガティブな気持ちから抜け出せなくなったり、自己破壊的になっている時には気をつけて下さい。たとえば、「私っていつも失敗しちゃう」、「誰も私のことなんて気にかけてくれない……」といった考えから抜け出せなくなった時には、セラピストや精神科医に相談し、このようなパターンに陥っていることを話したほうが良いかもしれません」。

 

 

スティーブンソン博士も同様のことを指摘しています。「独り言が自己批判に変わってしまうと、好ましくない状況に陥る可能性があります。自分の間違いを指摘したり、自分を小さく感じさせるような「内なる声」は、誰にでもあるものです。しかし、こうした自己批判的な声に飲み込まれ、それしか信じられなくなってしまうと、極度の不安を感じて鬱になったり、自尊心が下がってしまう恐れがあります。私は患者たちがそうした状況に陥らないように、自己批判的な声と本来の自分との違いをはっきりと認識し、区別できるような訓練をしています。内なる声を聞くべき時、無視する時はいつなのかを、学ぶ必要があります」。

 

 

また、自分の頭の中の会話に捉われすぎるのもやめましょう。「そうすると、どこにも辿り着けないまま、同じ考えをループするだけで、せっかくの熟考も非生産的なものになってしまいます」とバーグフェルド博士は指摘しています。

 

 

「こうした状況に陥った場合には、まず思いを日記に書き出し、それから身近な人やセラピストに話を聞いてもらいましょう。書き出すこと、そして信頼のおける相手に話すことで、自分の考えをより良く整理し、理解できるようになるはずです」。

 

 

ネガティブな独り言に陥らないために、トップ・アスリートのやり方を参考にするのもおすすめです。たとえばテニス選手のセリーナ・ウィリアムズは、試合のパフォーマンスを良くするために、モチベーションを上げる独り言を言うようにしているそうです。みなさんもぜひ自分のチアリーダーになって、大きな声で自分を励ましてみてください。

 

 

というのも、独り言ははっきり声に出して言うほうが、より効果があるらしいのです。2012年の研究では、声に出すことで作業中の管理能力がアップしたという結果が出ています。被験者たちは、説明書を声に出さずに読むグループと、はっきり声に出して読むグループに分けられました。その結果、声に出して読んだグループのほうが、作業に対する集中力とパフォーマンスがアップしたことがわかりました。自分の声を聞くだけで、自分の行動をより良くコントロールできるようになるというわけです。セリーナ・ウィリアムズが試合中に「行け!!」と叫ぶのも、コートで自分の集中力を高めるためなのかもしれません。

 

 

また、このようにはっきり声に出すというテクニックは、なんと携帯電話をどこに置いたか探す時にも有効なのだそうです。「Quarterly Journal of Experimental Psychology」に掲載された研究では、自分が探したいもの(鍵や携帯電話など)の名前を声に出して自分に聞かせることで、より早く見つけることができるという結果が出ています。

 

 

というわけで、最初の質問に戻りましょう。「独り言を言っても、本当に大丈夫……?」 鍵を見つけたり、試合のパフォーマンスにも役立つ可能性まであるのなら、答えはイエス!ではないでしょうか。

 

 

この記事は、PureWowが執筆し、NewsCredパブリッシャーネットワークを通じてライセンスされたものです。ライセンスに関するお問い合わせは、legal@newscred.comにお願いいたします。
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