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夢のなかでも不安を感じる? 夢・脳・心の不思議な関係

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極度の不安を感じている日には、早くベッドに入って夢の世界に逃げ込んでしまいたいもの。しかし私にとって、そんな願いが叶うことはまさに夢のまた夢。なぜなら、私はしょっちゅう「不安夢(心の不安感が表れる夢)」を見てしまうからです。夢にはいくつかのパターンがあります。たとえば、時間ギリギリに空港に到着し、パスポートも荷物も忘れてきたことに気づく夢、実は高校の卒業資格がなく、もう一学期やり直さなくてはいけない(そして最後の課題の提出も忘れてしまう)という夢、それから親の死にとまどい、棺の種類を選べずにいる夢……。「今日はいい夢を見た」なんて言う人がいますが、私はほとんど見たことがありません。夢から覚めると、寝る前と同じくらい不安を感じているか、それ以上にひどい気持ちになることもあります。

 

 

こうした経験がある人は私だけではないようで、「不安夢」を見がちな人というのがいるそうです。そこで、メンタルヘルスの専門家たちに話を聞き、夢の中にも不安が流れ込んできてしまうような時、頭の中では何が起きているのかを教えてもらいました。また、人が見がちな不安夢にどのような意味があるのかも、最後にご紹介します。

 

 

なぜ、不安夢を見るのか?

精神医学および睡眠医学両方の資格を持ち、Menlo Park Psychiatry & Sleep Medicineの創設者でもあるアレックス・ドミトリュー博士は、睡眠中の私たちの脳の働きは実に興味深く、ほとんどの場合、見た夢の内容を忘れるようにできていると話しています。では睡眠中、脳内では具体的に何が起きているのでしょうか? 博士の話を聞くと、実にたくさんのことが起きていることがわかりました。私たちの記憶は仕分けされ、保存され、脳内には学習するための新しいスペースが確保されます。それから脳は問題となっているものを処理し、すでに明らかになっている事実をつなぎ合わせることで、「意外な事実」を新たに形成しているそうなのです。そして最終的には、リンパ系システムである「グリンパティック・システム」と呼ばれる浄化作用を通じて、体の中で最も多忙な臓器である脳全体が大掃除されるのだと博士は説明しています。

 

 

「脳がその時に処理し、対応している問題が、夢の記憶として現れます」とドミトリュー博士は話しています。「不安夢も、他の夢と同じように、脳が処理している何らかの問題と関連している可能性があります。たとえば、意識的にせよ、無意識的にせよ、自分を悩ませている問題と結びついている可能性があるのです」。

 

 

それでは、もうすぐプレゼンの発表があることで不安を感じている人は、そのプレゼンをしている夢を見ることになるのでしょうか? 博士によれば、実際にはそうとも言えないそうです。ストレスは様々な形で現れるため、自分の悩みをそのまま同じものとして夢に見るとは限らないと、博士は指摘しています。夢の中で不安を感じたり、葛藤を抱えていたとしても、起きている間に自分が経験したことと常に一致するわけではないというのです。

 

 

そして、これにはちょっとうれしいニュースが付いてきます。ドミトリュー博士によれば、「このように、夢の中で私たちの脳は「比較的自由に」物事を結びつけているため、偶然あるできごとを見つけ出し、勝手にその問題を処理していることもある」そうなのです。毎回起きることではもちろんないにせよ、そういう可能性があることを知っておくだけでも、心が楽になりそうです。

 

 

さて、次に一般的な不安夢の種類と、それらを見る理由を紹介したいと思います。

 

 

落ちる夢

臨床心理士のアルージ・ナジュムスサキブ博士によれば、最も典型的な不安夢は「落下する夢」だそうです。ビルから落ちる夢、空から落ちる夢、暗闇に落ちていく夢、見知らぬ場所に落ちていく夢など、状況は異なったとしても、落下の夢を見る人は、ネガティブな気持ちを感じているか、何か悪いことが起こるのではないかという不安を抱えているはずだと、博士は言います。また落ちる夢は、実生活において、ある特定の状況に不安を感じている時にも見るそうです。たとえば恋人との関係が終わってしまう、職場でプレゼンをしなくてはいけない、試験や査定があるといった状況です。博士は、こうした不安はすべて、その状況に対して自分がコントロールを失っているという感覚からくるものだろうと話しています。

 

 

失くす夢

ものを失くしたり、何かを盗まれる夢、特に車を失う夢は、モチベーションを失っているというサインかもしれないとナジュムスサキブ博士は話しています。この場合、車は文字どおり自分の原動力(ドライブ)を表し、自分を運んでくれるものを失ったことで、多大なストレスを感じている可能性があるそうです。

 

 

自然災害

台風、竜巻、猛吹雪、津波、地震、山火事といった自然災害の夢を見る人は、実生活において精神的に参ってしまっている場合が多いとナジュムスサキブ博士は話しています。残念ながらこうした夢はそれ以上の解釈ができないため、自分が何に参っているかは、自分で突き止めるしかありません。考えられる可能性としては、新しい職場、失業、死、離婚、未来で自分が何を選ぶか、といったものが多いようです。

 

 

メリーランド州およびワシントンDCの認定専門カウンセラーで、Synergy Wellness Therapeutic Servicesの事業主でもあるディードラ・A・ソレル博士も、自然災害の夢について同じ見解を示しています。ソレル博士の友人である男性は、最近、津波に巻き込まれる夢を見たと話しています。「嵐が襲いかかり、彼だけが大型の漁船に乗っていて助かったのだそうです。この夢を解釈すれば、彼はまず嵐に命を奪われることを恐れ、すべてが過ぎ去った後には自分を助けてくれる人が誰もいないことに不安を感じている、ということになります。命は助かったのに、次に起こるだろう危機に怯えているのです」。

事実、この友人男性には信頼関係において問題があるパートナーがいました。彼がこの夢を見た理由は、無意識下でパートナーの裏切りを恐れ、その結果自分が孤独になることに不安を感じているのではないかと、ソレル博士は考えています。

 

 

公衆の面前で裸になる

裸になってはいけない状況下で裸になるというのも、不安夢によくある内容です(こうした夢は、コメディドラマでもよくでてきます)。ナジュムスサキブ博士によると、裸になる夢を見る人は、何らかの形で、無防備な立場にさらされている可能性があるそうです。また、何かに恥を感じていたり、自分の最も醜い部分も含め、何1つ隠し通すことはできないという不安を抱えているのかもしれません。

 

 

追われる夢

何かに追われる夢ばかり見る人もいます。そこで不思議なのは、追われる夢を見ていたとしても、実際には自分が何に追われているかわからない場合があることだとナジュムスサキブ博士は指摘しています。ただ、追われていると言う感覚があるだけなのだそうです。

 

そのような夢を見る人は、実生活でも何かから逃げようとしているのだと博士は考えています。ある人から離れたいと思っていたり、自分が下した決断から逃れたかったり、ある場所から移動したいと感じているのかもしれません。「たとえ理由が何であれ、実生活で逃げることをやめない限り、このまま追われる夢を見続ける可能性があるでしょう」。

 

 

乗り物に乗り遅れる

飛行機やバス、電車に乗り遅れる夢を見るのは、どうやら私だけではなさそうです。ナジュムスサキブ博士によれば、何かに乗り遅れる夢を見る人は、実生活で締め切りに遅れる恐怖を抱えている可能性があるそうです。「多忙を極めていると、それが夢の世界にも反映します」と博士は説明しています。「こうした不安夢を見ることで、重要なイベントや締め切りを忘れないように、自分に警告しているのかもしれません」。 

 

 

ソレル博士は、ある友人女性の夢の話をしてくれました。その友人は、通勤で使う地下鉄に乗り遅れるという夢を繰り返し見るそうです。夢の中で、彼女は列車に間に合うように必死に走っているのですが、自分の動きがスローモーションに見えていると言います。そして必ず乗り遅れ、仕事にも遅刻してしまうそうなのです。「この夢から、彼女が仕事上で自信を失くしている、もしくは自分に能力がないと感じていることがわかります。彼女自身も、自分は仕事をする上で準備が足りていないことを認めていました。また、彼女はインポスター症候群(自分の能力や人からの評価をうまく認められず、自分が「詐欺師」のように感じてしまう状態)に陥っているようにも思えます。専門職に就いている人にはたびたび起こることです」。しかし最終的には、この女性は夢のおかげで自信を取り戻すきっかけを得ることができ、仕事の準備もはかどるようになったそうです。

 

 

車に乗せられ、どこに向かっているのかわからない夢

こうした夢を見る人は、実生活におけるコントロールを失っている可能性があるとソレル博士は説明しています。博士のセラピーセッションでは、こうした夢は2つのやり方で解釈していくことになるそうです。1つ目は、人間関係、仕事、または経済状況など、自分がコントロールを失っているものが何かを突き止めること。2つ目は、よりスピリチュアルな解釈に迫ることになります。夢の内容をより深く知るために、ソレル博士はクライアントに、車を運転していたのは誰かと尋ねるそうです。「信心深いクライアントは、運転しているのは神様です、と言って自分を安心させようとすることがあります。そうした場合、神の意図は何か、神はあなたをどこに連れて行こうとしているのか、といったことを話し合います」。しかし一般的には、自分が向かっている未知の場所は、実生活で経験している不安と何かしら関連している場合が多いようです。

 

 

この記事は、SheKnowsElizabeth Yukoが執筆し、NewsCredパブリッシャーネットワークを通じてライセンスされたものです。ライセンスに関するお問い合わせは、legal@newscred.comにお願いいたします。
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