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ポジティブで前向きな「お金とキャリアの話」

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自分の仕事やお金のやりくりについて話す時、私たちはどうしても「できていないこと」に目を向けてしまいがちです。もしくは「してはならないこと」や「していたらよかったこと」にばかりフォーカスしたり、両親やパートナー、それから人に対してちょっと批判的な知り合いなど、他人が自分に求めることを基準にしてしまうことがあります。自分の夢や目標について話す時に、貯金残高や仕事の肩書きなど、今自分が手にしているものに欠乏感を持たずにいることはなかなか難しいようです。では、これまでに自分が成し遂げてきたことをちゃんと自分で認めつつ、同時にこの先の未来を見据えるためにはどうしたらいいのでしょうか?

 

そこで、キャリアコーチやファイナンスの専門家たちに次のような質問をしてみました。

 

「お金は私たちにチャンスと自由を与えてくれますが、同時に、他の何よりもストレスを感じる原因でもあるようです。自分のキャリアや貯金額を否定することなしに、ゴールを見据える良い方法はあるでしょうか?」

 

彼女たちの答えは、とてもスマートで率直で、自己否定から始まるようなアドバイスとは程遠いものでした。どんなに金銭的な感覚に優れた人であっても、お金の使い方と向き合おうとする時には、恥や困惑を抱えてしまう傾向にあることがわかりました。彼女たちのアドバイスを読んで、自分にとってベストな人生を歩む勇気を手に入れてください。

 

 

人と比べない

「誰もが自分だけの旅をしているのです。(金銭的にもそれ以外でも)成功している人を目の前にすると、自分が遅れをとっているように感じてしまうかもしれません。それは仕方がないことです。しかし、過度に不安になったり、その考え方に支配されたりする必要はありません。あなたにはあなただけの素晴らしい瞬間があるはずです。このまま歩みを止めず、自分の望む人生に向かって突き進んでいきましょう」/Lauren Lyons Cole 公認投資コンサルタント

 

 

会話の糸口を見つける

「お金に対して私たちが共有している一番の感情は、恥だと思います。実にたくさんの人たちが、私が言うところの『恥のスパイラル』にはまり込んでいます。私たちの多くは、お金の話をすることは良くないことだと教えられてきました。ですから大人になって金銭的な問題にぶつかった時、何も言わずに口をつぐんでしまい、誰かに質問することもできず、新しく何かを学ぶこともできなくなってしまいます。周りの人たちもお金について語ろうとしないので、こんなに大変なお金のトラブルを抱えているのは自分だけだと思い込んでしまうようになり、その結果、より恥ずかしさを感じるようになってしまう、というスパイラルになるのです。

 

こうした恥の気持ちを払拭するには、やはり誰かに話すことが一番です。自分が抱えているお金のトラブルを、友人や家族、または同僚に打ち明けるのです。バーで自分の給料についてぶちまける自信はなかったとしても、友だちと出かけた時など、ちょっとした質問から始めてみてはどうでしょうか。たとえば『お金にまつわる初めての思い出、教えてくれない?』とか『初めてのお給料を何に使ったか覚えてる?』といった気軽な質問をしてみましょう。

 

お金の話題に慣れたところで、自分が金銭面で混乱状態に陥っていることを、あなたが口火を切って話し始めましょう。きっと周りのみんなも自分だけではなかったと知って、安堵のため息をつくはずです。お金について気軽に話せる環境があることは、あなたの励みや学びになるだけでなく、会話に参加しているすべての人に影響を与えるでしょう」/Berna Anat プロデューサー、講演家

 

 

マネー・マントラを唱える

「お金のことを考えると、なぜだか『欠乏感』を持って不安になるのは、私も、私のクライアントたちも同じです。そこで私がおすすめするのは、意図的に自分のものの見方を変えるという対処法です。つまり、不安を感じさせるような考え方を、より安心なものへと変化させるのです。これは「マネー・マントラ(お金の呪文)」と呼んでも良いかもしれません。たとえばこんな具合です。

 

〈私の人間としての価値は、資本主義社会が私の労働に対して与える価値だけに制限されるものではありません。私は物事をしっかり理解し、機知に富み、常に何かを学び、身につけ、自分のベストを尽くしています。私はこれまでもうまくお金をやりくりすることができ、これからもすることができます。〉

 

このようなマントラを1日に2回(朝と夜)声に出して唱えてみてください。そして自分にこう問いかけてみましょう。『金銭的な目標に一歩近づくために、今日の私ができることは何?』 たとえ小さな一歩でも、着実な進歩に繋がるはずです!」/Cynthia Pong キャリアコーチ

 

 

目標は明確に

「私のクライアントは30代前半から40代の、モチベーションの高い女性たちが多いのですが、私のところにやってくる頃には何かしらの破綻を迎えている人がほとんどです。彼女たちは日常から切り離されているような感覚に陥り、自分の優先事項や目標がわからなくなっています。また、キャリアを築き始めた頃に抱いていた目標は次第に私生活に乗っ取られてしまい、仕事のプロとしての野心と、私生活での優先事項が乖離してしまっています。つまり彼女たちは、当初のゴールを見失い、見直すことすらできなくなっているのです。 

 

お金は私たちの暮らしのあらゆる側面に密接に関わっています。私はクライアントの女性たちに、自分の人生がどんなものであって欲しいのか、考えてみるようにと伝えています。仕事や人間関係、個人的な目標から大きな夢まで、すべてを含んだ人生です。それから、自分とお金の関係がうまくいっているのかいないのか、把握するようにとも伝えています。

 

たとえば次のような質問を自分にしてみてください。『私は人生に何を求めているのだろう?』『なぜそれらが必要なのだろう?』『前進するためにできることを一つだけ挙げるとしたら?』このように自分に問いかけることで、自分の目標や優先事項が何であるのかを具体的にすることができますし、同時に今この瞬間、自分が感謝しているものに気づくきっかけにもなります」/Aja Tahari Marsh フィナンシャルフィットネス・コーチ

 

 

自分の価値は、自分の資産の価値ではない

「自分のアイデンティティや成功を、自分の貯金残高と結びつけて考えないようにしましょう。過去を振り返り、お金とは関係なく何かを達成した経験をいくつか思い出してみることで、次第に新しいものの見方ができるようになるはずです。また、こうした新しい価値観を共有できる人と、できるだけ多く時間を過ごすようにしましょう。

 

お金にこだわりがあるあまり、キャリアゴールを収入の観点からのみ設定し、そのために自分が望んでいない環境で働いている人もいるかもしれません。もしそうなら、一度お金とキャリアを切り離して考えてみてはどうでしょうか。自分が望まない環境で必死に働きつつ、今とは違う自分になることを目指していてもどうにもなりません。懸命に働くだけではなく、賢明に働く方法を考えていきましょう」/Lauren McGoodwin Career Contessa創始者兼CEO

 

 

家計管理の時間をセルフケアタイムに

「きっとあなたも、私と同じように長年こんな考えと戦ってきたのかもしれません。『お金の話? もう、イヤ……!』お金と向き合うたびにこんな気持ちになってしまうのは、本当につらいですよね。そこで私は、お金の管理をセルフケアのように考えて欲しいとクライアントたちに伝えています。家計簿をつける時間を、自分がリラックスできるお気に入りのセルフケアタイムと結びつけてしまうのです。

 

たとえばあなたが2週間に1時間ほど、家計を見直すための時間を取っているとしましょう。想像するだけでぐったりしてしまう人もいるかもしれませんね。では、どうしたらこの1時間を楽しみに待つことができるでしょうか……? たとえば家計簿を開きつつ、フェイスマスクをしてみるのはどうでしょうか。どこかにしまい込んでいたフットマッサージ機があれば、それも使いましょう。もしくは、ミュージカル『ハミルトン』のサントラなど、気持ちを盛り上げてくれるお気に入りの曲を聴きながら、というのはいかがですか? きついパンツを履いていたらそれも脱ぎ捨ててしまいましょう。念入りにメイクをして、とびきりドレスアップをしながら、というのもおすすめです。

 

このように、自分がわくわくできる楽しい習慣と、家計管理の時間を結びつけるようにしてみてください。きっとできるはずですよ!」/Berna Anat

 

 

歴史と紐付けて考える

「金銭的なトラブルを抱えてしまうのは、あなたが無知だからだ、という意見があります。これはお金に関する通説の中で最も危険なものだと思います。お金について考えた時に、私たちが恥やストレスを感じたり、とにかくひどい気持ちになったりする理由は、実は歴史や文化のなかに隠されているようです。そしてそのうちのどれもが、私たちの知性とはまったく関係がないものです。 

 

たとえを挙げてみましょう。米国の女性たちは1974年まで、夫や父親の許可なしに融資を受けたり、ローンを組んだりすることができなかったことはご存知でしょうか? その事実を踏まえれば、多くの女性たちが今でも融資やローンについて理解しようとする際に、どこか気後れしてしまう理由が少しでもわかるかと思います。女性たちが自分で自分の信用を担保できるようになってから、わずか数十年しか経っていないのです。

 

また、解放された黒人奴隷のために初めて作られた銀行にフリードマンズ・ビューローがありますが、この銀行は最終的に破産してしまいます。その理由は社長であった白人男性が銀行資金を投資しようとして失敗したためでした。結果として、銀行の利用者すべてが、預金を失ってしまうことになったのです(そしてそれ以降、米国の有色人種専用の銀行100社以上で、同じようなことが起きました)。現在南部で暮らす黒人の約60%が銀行口座を持たないそうですが、その理由はここから読み取れるかもしれません。 

 

次に、自分のアイデンティティに関連したお金の歴史を見ていくことにしましょう。たとえば私のように移民の子どもとして育った人は、年配の世代にとってお金はどのような意味を持っていたのか、家族に質問してみましょう。これは私の場合ですが、話を聞いたことで、自分のお金の習慣がどこで形成されたものだったのかを理解する助けになりました。それだけでなく、私たちが抱えているお金の問題は、個人の生き方だけが原因になっているわけではないことにも気づきました。上で紹介した2つの例からも読み取れるように、体系的な差別が原因になっているケースがあること、そして現在もそれが影響を与えているかもしれないことがわかったのです」/Berna Anat

 

 

一番大切なものにお金を使う

「結局のところ、お金の使い方をみれば自分が何を一番大切にしているのかわかります。個人でもカップルでも、私がこれまでに見てきた最大の過ちだと思えることはすべて、自分と他人(家族や友人、同僚など)を比べてしまうことが原因になっているようです。人と比べてしまうと、自分が本当は何を大切にしているのか見えづらくなってしまいます。もしあなたが家族を一番大切にしているのなら、家族がもたらしてくれる喜びに目を向けましょう。託児所にお金がかかるせいで高級車が買えない、と悩んだりしないでください。他人の影響で描いた理想のイメージに、当てはまろうとしなくたって良いのです。大切なものが何かまだわからない人は、自分がいいなと思う暮らしをしている友人や家族に話を聞いてみましょう。その人たちが何をゴールにしているのか尋ね、自分が先に進む上で参考にしてみてください」/Aditi Shekar Zeta創始者兼CEO

 

 

この記事は、Refinery29Cait Munroが執筆し、NewsCredパブリッシャーネットワークを通じてライセンスされたものです。ライセンスに関するお問い合わせは、legal@newscred.comにお願いいたします。
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