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今あるものを新しく ミレニアル世代の体験型ビジネス

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もしメディアが思いのままに世代を評価しようとするなら、きっと私たちミレニアル世代は、先人たちが苦労して勝ち取ってきたもの(たとえば「離婚」もその1つ)を台無しにしてしまう、自分中心の世代として歴史に残ってしまうかもしれません。つまり、私たちの世代はスマホばかり見ていて、セルフケアとアボカドトーストを愛するあまりに、ショッピングモールやバー、加工食品を亡きものにしてしまう存在だと思われることもあるのです。基本的に怠け者で、お金を稼ぐために会社勤めすることを拒否している、なんていう意見もあります。そして当の私たちは、そうした世間からのイメージに「まあ、そうだね」なんて答えてしまったりもします。でも本当のところ、ミレニアル世代は先人たちが残したものを台無しにしているのではなく、むしろ革新者として、新しいものを作り出しているのです。より楽しいと思える可能性を求め続け、すでにある産業に新しいイノベーションをもたらしているといっても良いでしょう。

 

ベビーブーマー世代が私たちの生まれ育った家のローン返済のために忙しく働き、もしくは2008年に起きた金融危機に巻き込まれているさなか、私たちミレニアル世代は、物ではなく経験にせっせと投資してきました。その結果、消費経済に改革が起きたのです。これは「ミレニアル・エクスペリエンス・エコノミー(ミレニアル世代の経験経済)」、略してMEEと呼ばれ、現在も着々と進行中の大規模な現象となっています。このトピックに関してEvenbriteが行った最新の調査では、「ミレニアル世代の69%、実に10人に7人が、FOMO(取り残されることの恐れ)を感じた経験があると答えています。ソーシャルメディアを通じて他者の経験が広く拡散される世界では、自分が何かに乗り遅れてしまうという不安を抱きやすく、結果としてミレニアル世代を何かに参加したい、シェアしたい、関与したい、という気持ちに駆り立てています」という分析結果が出ています。

 

こうした状況下では、暮らしのあらゆる側面において、「ふつう」とレッテルを貼られ、「かなり保守的」という評判がついてしまうことこそが一番の恐怖なのです。この FOMOの感覚は私たちを際限なく取り巻いています。たとえば誰かが充実した暮らしを楽しんでいるのを目の当たりにした時、自分の方がもっと良い暮らしをしたいという気持ちになり、それがどんどん繰り返された結果、ペットの出産パーティーを「コーチェラ(米カリフォルニア州の音楽フェス)」スタイルで開くようにまでなるのです。

 

ここでミレニアル・エクスペリエンス・エコノミーについてもっと詳しく知るために、人々に最高のワクワクを与えつつ、インスタ映えする体験を提供することに特化したビジネスをスタートした4人の女性たちのインタビューをご紹介します。ここで1つご注意を。このまま読み進めると、あなたもすぐに会社に辞表を出して、自分でもMEEに基づいたビジネスを始めたくなってしまうかもしれません……!

 

 

ヘイリー・メハルコ Puppy Parties NYC創始者

一躍人気になった豚のエスターのように、動物たちの方が一般人よりも多くのフォロワーを抱え、影響力を持つような時代ですから、ペットのために素敵なパーティーを開きたいと思うのも当然です。Puppy PartiesNYCの創始者であるヘイリー・メハルコが営むのは、自分の飼っているワンちゃんたちの特別な日を祝うためのビジネスです。ヘイリーはあなたのペットをまるで社交界デビューするお嬢様たちのように扱ってくれるプロなのです。

 

犬用のパーティービジネスを始めたきっかけは何でしょうか?

私は学校でホスピタリティとイベント企画について学んだのですが、ニューヨークに初めて住み始めた時には、ありとあらゆるイベントをオーガナイズしていました。でも正直なところ、自分がやっていることに100%満足できていませんでした。ただ、イベントを企画すること自体は好きだったんです。ある日、私は母にこんなことを聞きました。「ベイリー(ペットの犬)のためにバースデーパーティーを開いたら、変かな?」すると母はこう答えてくれたんです。「ちっとも変じゃないわ! あなたはイベントを企画するのが好きなんだから、とても良いアイディアだと思うわ」

 

というわけで、私は夫と一緒に(当時はボーイフレンドでしたが)15人ほどの友人たちを招きました。やれることはすべてやりましたよ! テーマはプリンセスだったのですが、ゲスト用にギフトも用意して、いろんなゲームやアクティビティを企画し、犬たち用と人間用のフードもそれぞれ準備しました。みんな大喜びでした! 1年ほど経った後でも、私はあのパーティーのことを度々思い出していたので、きっとこれは何かあるなと思うようになりました。私は犬が大好きですし、イベントを企画することにもやりがいを感じていたのです。というわけで、この2つを結びつけてPuppy Parties NYCを始めることになりました。

 

イベントはバースデーパーティーの他にどんな企画がありますか?

バル・ミツヴァー(ユダヤの成人式)の他、ガッチャ・デーやアダプタ・バーサリー(どちらも犬が家族に加わった記念日)などの企画をしています。マンハッタンを周遊するボートの上で開催したり、映画館を貸し切ったりしたこともありますよ!

 

人間のために企画されたパーティーはどのくらいの割合で開催していますか?

私たちの会社はフルサービスのパーティーを提供していますが、必ず中心には犬がいます。それが私たちのビジネスの売りですから。犬たちのためには、犬用ケーキや犬用のドリンク、デコレーション、犬用のお土産のほか、たとえば犬の椅子取りゲームなど、犬たちが楽しめるゲームやアクティビティを用意しています。たとえ犬専用だったとしても、人間たちも一緒になって楽しめるパーティーになっています。

 

もし10年前に始めていたら、成功していたと思いますか?

やっていくことはできたと思いますが、今ほどうまくいっていたかは疑問ですね。現在はソーシャルメディアがありますし、人々が犬に使うお金も増えているんです。私自身も含め、クライアントのほとんどがミレニアル世代です。シングルであれ、婚約中であれ、結婚したてであれ、大半がまだ子どもを持ってないため、代わりに犬が暮らしの中心にいることが多いのです。人気なのは1歳のバースデーパーティーで、かわいい我が子と素晴らしい日を過ごすために、飼い主たちはとにかく最高のものを用意したいと望んでいるのです! 

 

 

ジェン・グランツ Bridesmaid for Hire創始者、『Always a Bridesmaid (for hire)』著者

ジェン・グランツは映画「幸せになるための27のドレス」を観た時、これは自分の物語だと思ったと言います。そして「晩年ブライズメイド、花嫁になったことはない」というこの映画のキャッチコピーを、もっと自分らしく、同時にビジネスとして成立するものに変えてみせると決意しました。つまり「晩年ブライズメイド、でもタダでは参列しない」というわけです。現在Bridesmaid for Hireの創始者兼CEOとなったジェンは、プロのブライズメイド(結婚式での花嫁の介添人)・チームを率い、花嫁の親友役を演じるのみならず、パーソナルアシスタント、セラピストの役割を引き受け、時には警備まで担っているそうです。 

 

まず、どのようにしてプロのブライズメイドになったのか、その経緯を教えてください。

6月末のある日のことです。遠方に住んでいる2人の友人が、それぞれ私にブライズメイドをしてくれないかと頼んできました。家に帰って「またブライズメイドだよ……」なんてルームメイトに愚痴をこぼしていたら、彼女にこう言われたのです。「そうだよね、あなたはブライズメイドに慣れているし、みんなにも知れ渡っている。だったらプロのブライズメイドになったら?」 

 

そこでハッと気付きました。世界で3兆ドルもの売り上げを誇るウェディング業界なのに、花嫁のために、文字通り付き添ってあげるような仕事がないのはどうしてだろう、と。ウェディングプランナーがいたとしても、メインの仕事は業者とのやり取りや会場のセッティングです。花嫁がその場で頼れるセラピストやパーソナルアシスタントの役割を担ったり、身の安全を守ったりする時間はありません。もちろん、ウェディングの参列者役を引き受けるわけにもいきません。そしてそのすべてを、私たちの会社では提供しているのです。

 

女性たちはなぜブライズメイドを雇いたいと思い、なぜその必要があると考えるのでしょうか?

私たちにコンタクトを取ってくる花嫁のなかには、結婚式をする上での決め事が多すぎて、パニックになっている人がいます。ソーシャルメディアが発展したことで事態はいっそう複雑になっていますし、とにかく現代人はみんな忙しいのです。その結果、花嫁たちは、時に仕事と言ってもいいくらいたくさんのことをブライズメイドに頼んでしまうことがあるのです。ですが一般的にミレニアル世代の女性たちはフルタイムで働いている人が多く、セルフケアを重視したり、サイドビジネスを始めていたり、また子どもを持っている人もいます。花嫁の頼みを聞くために、1日に何度も電話に出ているような余裕はありません。そこで代わりに私たちが、花嫁の要望を何でも引き受けているのです。感情的なサポートもしますし、何かを決めなくてはいけない時にもアドバイスをします。他の業者からは得られない、まるで友人のようなサービスを受けることができます。

 

もっとも奇妙な花嫁の要望は何でしたか?

たくさんありますよ。たとえば花嫁のボディガードを頼まれたこともあります。その花嫁は、自分のメイド・オブ・オナー(ブライズメイドたちのリーダーでまとめ役)になる予定だったはずの人を断ることにしたので、当日その女性から仕返しされるのではないかと怯えていたのです。また、動物のフンを片付けなくてはいけないこともありました。それも素手で、です。野外の結婚式だったのですが、花嫁が歩く通路にフンが落ちていて、すぐに片付けなくては先に進めなかったんです。 

 

 

エイミー・シャック・イーガン Modern Rebel&Co. 創始者兼CEO

エイミー・シャック・イーガンは、クリエイターや独創的なカップルのためのウェディングや「ラブ・パーティー(愛を祝うパーティー)」を企画する「オルタナティブな」イベント会社、Modern Rebelの創始者兼CEOです。エイミーと彼女のチームは、クライアントと共にテーマをとことん追求してパーティーを作り上げるため、従来のジェンダー規範に基づいた形式的なウェディングではない、新しい式を求めるクィア(セクシュアルマイノリティの総称)カップルたちの希望に沿ったパーティーも数多く企画しています。個人的に、すべてのウェディングがそのように自由であったらいいなと思ってしまいます。

 

Modern Rebelについて説明していただけますか?

私たちはただのイベント企画会社ではありません。むしろ、人と人との関係性をビジネスにしていると考えています。ウェディングを企画する上で、クライアントとどのようにパートナーシップを結んでいるかお伝えしますね。Modern Rebelは、クライアントがそれぞれ自分のパーソナリティーを十分に発揮できるようなパーティーを開けるようにアドバイスをし、ワクワクしてもらえるような環境を作り出しています。 

 

Modern Rebelのクライアントとなる人たちはソーシャルメディアに影響を受けていると思いますか?

影響はあると思います。インターネットの時代、特にソーシャルメディアがあることで、人々は今起きていることを目の当たりにするようになりました。人は何かを目にすると、実際にイメージがしやすくなるものです。ですから今までの常識を壊すようなことをしている人を見た時、特にそれがウェディングだった場合には、自分にもそれが許されると思えるようになるのです。「わあ、すごくおもしろそう。私にもできるかもしれない!」というように。 

 

これまで企画したなかで一番インパクトがあったパーティーを教えてください。

「スペースディスコカウボーイ」がテーマのラブ・パーティーを企画したことがあります。テキサス州オースティン近郊にあるゴーストタウンで開催しました。かつて町だったこともあり、広いスペースがありました。ですからカラオケ会場を用意したり、セクシーな男性がいるバーをオープンしたり、それから野外にステージを設置してダンスフロアまで作りました。最初の1時間はカントリーミュージックのバンドに演奏してもらい、それからDJを呼んで曲をプレイしてもらったんです。The Moon Puppiesという、クレイジーな衣装を着てパフォーマンスを行うアーティスト集団を呼んで、ゲストと楽しく踊ってもらうプログラムもありました。パーティーの参加者たちはファンキーな飾り付けをしたバスで到着し、カウボーイか宇宙人、もしくはそれをミックスしたディスコスタイルにドレスアップしてもらうようお願いしました。セレモニー中、私たちは実際にモデルロケットも発射したんですよ!

 

そこまで具体的で個性的なクライアントのニーズに応えてくれる業者を見つけるのは難しくはないですか?

実はそうでもないのです。普通のパーティーに飽きてしまった業者も多いので、ちょっと変わったイベントに関わるのが良い刺激になるみたいです。

 

 

ローラ・アンダーソン NY Teacup Piggies創始者

一昔前までは、「ピギー・パーティー(子ブタのパーティー)」と言えば、レンタルビデオショップで最新のVHSやDVDを借り、お菓子を口いっぱいに頬張りながら映画を観ることを意味していました。しかし今の時代、ピギー・パーティーには本物の子ブタちゃんたちが参加するのです! ローラ・アンダーソンが始めたNY Teacup Piggiesは、ティーカップピッグと呼ばれるマイクロサイズの子ブタの繁殖販売をしていますが、自分たちで子ブタを飼う準備ができていない人たちのために、子ブタのパーティーもオーガナイズしています。

 

ブタのビジネスを始めてどのくらいになりますか?

パーティーやイベントを企画するようになって7年経ちました。今ではコンスタントに予約が入るようになり、子ブタたちも大喜びです! ウェディングや屋上でのパーティー、会社のイベントなど、子ブタたちは週に10個くらいのパーティーに参加しています。映画スターといったセレブリティたちと仕事をしたこともあります。

 

パーティーを体験した人は、子ブタたちと一緒に過ごすだけで心が癒されると話しています。子ブタのそばにいれば誰もが思わず笑顔になってしまいますし、まさに人の気持ちを変えてくれる存在なのです。とにかく、子ブタといるだけでみんな嬉しそうに見えます。それは子ブタたちにとっても同じです。だからこそ、子ブタに触れ、抱きかかえた時に感じた温かな気持ちをシェアしたい人が多いのだと思います。

 

みんながピギー・パーティーを開きたくなるのは、インスタグラムの影響が大きいと思いますか?最近ではアリアナ・グランデが子ブタを飼い始めたようで、みんなその話題で持ちきりです。

アリアナ・グランデは、私たちから子ブタを買ったんですよ!

 

それは本当ですか?

実際に本人には会っていませんが、マネージャーと取引をしました。

 

なぜアリアナはそんなに子ブタが欲しかったのでしょうか?

わかりません。最初はアリアナのためだとは知らなかったのです。でも、彼女が子ブタの写真をインスタグラムにアップしているのを見て、すぐにうちの子だとわかりました。私たちが育てているのは特別な品種の子ブタなのです。私自身が手をかけて育てているので、それぞれの子ブタの個性も、色も模様も、ぜんぶ覚えています。そこでマネージャーにこう尋ねました。「正直に教えてもらえたら嬉しいのですが、あの子ブタはアリアナのためだったのですね?」すると彼は「そうですよ!」と答えてくれたのです。というわけで、確かにインスタグラムは、子ブタと触れ合う体験について、多くの人に広めてくれていると思いますよ。

 

 

この記事は、Refinery29Mariah Smithが執筆し、NewsCredパブリッシャーネットワークを通じてライセンスされたものです。ライセンスに関するお問い合わせは、legal@newscred.comにお願いいたします。
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