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ドクター・ルースの数奇な人生 90歳のセックス・セラピストに学ぶ

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全米1有名なセックス・セラピストのドクター・ルースは、テレビ番組のホストを務め、教授として大学で教え、さらには40冊近くの本も出版しています。彼女は1980年にスタートした「セクシュアリティ・スピーキング」というラジオ番組を皮切りに、これまで数えきれないほどのセックスのお悩みに答えてきました。以来、ドクター・ルースは複数のテレビ番組のホストとしてお茶の間の人気者になりましたが、どんなに論争を招くようなトピックも臆さずに取り上げてきました。

 

私のようにアメリカで育った人なら、ここまでのことはきっとご存じかと思います。そしてHulu製作のドキュメンタリー映画「おしえて! ドクター・ルース」を観たことで、私は彼女の驚きに満ちた人生について、より深く知ることになりました。ドクター・ルースは、自分の身長は140cmしかないけれど、実際には180cmくらいあるような気がすると話していたのですが、このドキュメンタリーを観た後では、それも納得と思えるほどでした。そこで、映画を観て学んだドクター・ルースの7つのエピソードをご紹介します。

 

私人逮捕されかけたことがある

現在ではセックスの話をすることはそこまでタブー視されなくなりましたが、ドクター・ルースが世に出た時代には事情が異なりました。当時、彼女のようにセックスやセクシュアリティを取り上げることは前代未聞のことであり、それを好ましく思わない人もいたのです。実際1985年にオクラホマ大学でドクター・ルースが講演した時には、聴衆の1人が彼女を私人逮捕しようと脅迫した事件がありました。男性は大学の警備員に取り押さえられ、事件は未遂に終わりました。

 

家族をホロコーストで失う

ドクター・ルースはドイツで生まれ育ちました。そして彼女が10歳の時、両親はナチスから守るために娘を中立国であるスイスに1人で疎開させました。戦後、彼女はイスラエルに移住しましたが、そこでようやく、両親と大好きだった祖母がホロコーストで亡くなったことを知りました。父親はアウシュビッツで絶命したとされています。

 

昔からLGBTQの権利を支持

1980年代にはエイズ危機を受け、世間でホモフォビア(同性愛や同性愛者に対する否定的な価値観)が蔓延しました。ドクター・ルースはその当時から、人々が社会で、性的マイノリティの人々を尊重する必要があることを訴えていました。それだけでなく、同性愛についてオープンに語ることで、HIVおよびエイズに対する世論に変化を与え、その予防には教育とコンドームの使用こそが有効であることを説明しました。ドクター・ルースが、社会からアウトサイダーとして排除されてきた人たちに対して敏感な眼差しを持っているのは、彼女がドイツ系ユダヤ人として難民経験があるからだと言えます。ドクター・ルースは事あるごとに、「ノーマル」なものなど無いと話していますが、それはすべての人がそれぞれにノーマルだからと考えているからです。また、彼女はこのような言葉も残しています。「人を尊重することに議論の余地はありません」。

 

日常でもベッドの上でも男女平等を説く

フェミニズムがポップカルチャーに浸透するずっと前から、ドクター・ルースは女性の権利向上を推進してきました。それには、女性たちが充実した性生活を送ることも含まれています。彼女は「女性たちも、率先して自分のセクシュアリティに責任を持つ必要があります」と話しています。とはいえドキュメンタリーの中では、自分の孫に、男性には時々ディナーを奢ってもらってもいいのだとアドバイスするシーンもあり、ちょっぴり古風な面も持ち合わせているようです。

 

教育を最優先

ドキュメンタリーの中で、ドクター・ルースは父親が遺したこんな言葉を思い返していました。「自分が学んだことだけは、誰からも奪われない。だから勉強するんだよ」。疎開先のスイスでは、女子は高校に入学することが許されませんでした。そのため彼女は毎晩階段の吹き抜けに腰を降ろし、その明かりを頼りに恋人に借りた本を読んで勉強し続けていたそうです。最終的にアメリカに渡ったドクター・ルースは、42歳にしてようやく博士号を取得したのでした。

 

スナイパーとしての訓練経験がある

ドクター・ルースは移住先のイスラエルで、国防軍の前身である地下軍事組織ハガナーに入隊し、スナイパーとしての訓練を受けました。1947年から1949年まで続いた第一次中東戦争の最中、まだ20歳だった彼女は爆撃でひどい怪我を負い、あと少しで脚を切断しなくてはいけないほどでした。地元の病院は負傷者で混み合い、ベッドが足りなかったため、身体の小さかったドクター・ルースは本棚に寝かされたそうです。ところが彼女は数か月後には歩けるようになり、その後すっかり回復したと言います。

 

政治にはノータッチ

ドクター・ルースは投票による参政権を行使してはいますが、誰に投票したかについてはコメントしていません。「私みたいに山ほどセックスについて話してきた人は、政治については語れないのですよ」と彼女は話しています。しかし政治的な問題にしてはいないにせよ、ドクター・ルースは合法的人工中絶を擁護する発言をたびたび行なっています。

 

 

この記事は、SheKnowsのCelia Shatzmanが執筆し、NewsCredパブリッシャーネットワークを通じてライセンスされたものです。ライセンスに関するお問い合わせは、legal@newscred.comにお願いいたします。

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